がんゲノム外来について
がんゲノム外来のご案内
- がんゲノム外来では、保険診療による「がん遺伝子パネル検査」を行います。
- 検査を受けるためには、詳細な診断、治療経過、手術した「がん」の組織の確認などが必要なため、主治医の先生からのご紹介が必要です。
- 当院で治療中の方も、当院以外で治療中の方も、まずは、現在治療を行っている主治医の先生にご相談ください。
がん遺伝子パネル検査の概要
「がん遺伝子パネル検査」は、主に手術等で切除した「がん」組織の一部を用いて、一度に複数の遺伝子の状態を調べて、その情報にもとづいて治療法(治療薬)を探索するための検査です。
保険適応の対象となる患者さん
保険診療で検査を受けられる方は、以下の①と②の両方を満たす方です。
- 標準的な治療法が確立していない固形がん(原発不明がんや希少がん)と診断された方、または標準治療が終了した固形がんの方(終了見込みを含む)。
- 主治医が、全身状態などから、検査後に化学療法を受けられる可能性が高いと判断した方。
検査の種類
当院で提出できる「がん遺伝子パネル検査」は以下の5つです。
- OncoGuide™ NCCオンコパネルシステム
- FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル
- FoundationOne® Liquid CDx がんゲノムプロファイル
- Guardant360® CDx がん遺伝子パネル
- GenMineTOP® がんゲノムプロファイリングシステム
がんゲノム外来受診に関する費用
検査費用(保険診療)
- 検査提出時:44,000~132,000円
(保険点数44,000点(44万円)のうち、自己負担割合1~3割に応じて)
- 結果説明時:12,000~36,000円
(保険点数12,000点(12万円)のうち、自己負担割合1~3割に応じて)
- この検査は、高額療養費制度の対象です。収入に応じて、限度額以上はお支払いいただく必要がない場合や、後から払い戻しを受けられる場合があります。
- 上記5つのどの検査を受けられても、費用は同じです。
がんゲノム外来受診当日に患者さんにお持ちいただくもの
- 診療予約票
- 診察券
- マイナンバーカード (または健康保険証)
- 公費受給者証
- お薬手帳
結果説明までの期間
検査提出から結果説明まで、約6~8週間のお時間をいただきます。
検査後の治療
検査後の治療は、現在治療を行っている主治医とご相談いただきます。
ご紹介をお考えの医療関係者の方へ
(申し込み方法等)
がんゲノム外来について
石巻赤十字病院は、令和5年12月に「がんゲノム連携病院」に認証され、東北大学病院と連携して、保険診療での「がん遺伝子パネル検査」の提供を開始しました。「がん遺伝子パネル検査」は、がんゲノム中核拠点病院や連携病院において、保険診療で実施されています。当院へ通院中の方だけでなく、他院での治療を継続しながら当院で「がん遺伝子パネル検査」を受けていただくことも可能です。
がん遺伝子パネル検査
「がん遺伝子パネル検査」は、主にがん組織を用いて、一度に多数の遺伝子の解析を行い、その情報にもとづいて治療法(治療薬)を探索し、治療効果の期待できる薬剤や、参加できる可能性のある臨床試験や治験を確認し、治療方針決定の一助としていただくための検査です。当院は、東北大学病院(がんゲノム医療中核拠点病院)の傘下のがんゲノム医療連携病院として、がん遺伝子パネル検査を運用しており、東北大学病院で行われるエキスパートパネル(各領域の専門家によるチームカンファレンス)を経て、検査の結果に基づく治療薬提案について決定しています。
「がん遺伝子パネル検査」が保険適応の対象となる患者さん
保険適応の対象者は、以下の①と②の両方を満たす方です。
- 標準的な治療法が確立していない固形がん(原発不明がんや希少がん)と診断された方、または標準治療が終了した固形がんの方(終了見込みを含む)。
- 主治医が、全身状態などから、検査後に化学療法に耐えうる可能性が高いと判断した方。
費用
検査費用(保険診療)
- 検査提出時:44万円(保険点数 44,000点)
(自己負担割合1~3割に応じて:44,000~132,000円)
- 結果説明時:12万円(保険点数 12,000点)
(自己負担割合1~3割に応じて:12,000~36,000円)
- この検査は、高額療養費制度の対象です。
- 検査費用のほか、初診・再診料がかかります。
- 病理診断料や標本作製料など検体作製に係る費用が発生します。
検査後の治療について
- がんゲノム外来は、がん遺伝子パネル検査を行うための外来です。
- 検査後の治療は、現在治療を受けている医療機関で行って頂きます。
- がん遺伝子パネル検査は、現在通院中の主治医の判断に必要な情報を提供するものであり、検査の結果が主治医の判断よりも優先されることはありません。
検査提出から結果説明までの期間
検査提出後、検査会社からの結果返却および東北大学病院で行われるエキスパートパネル(各領域の専門家が集まって治療提案について審議するチームカンファレンス)での審議を経て、ご本人への結果説明となります。検査提出から結果説明まで、約6~8週間のお時間をいただきます。当院での患者さんへの結果説明後に、主治医の先生には結果をご報告させていただきます。
検査を受けられる方にご留意いただきたいこと
(ご紹介前に、患者さんにお伝えください)
- 原則、手術や生検で得られた「がん」の組織を使って行う検査です。
- 「がん」の組織が無い場合や検査に適さない組織しかない場合は、検査をどのように進めていくか慎重に検討します。
- 発送して下さった「がん」組織は、検査に適するかどうか病理医が確認作業を行います。検体が検査に適さない場合でも、初回受診時に「病理診断料」等が発生します。
- 検査を受けた方のうち、検査の結果に基づいた治療を受けられる方は1割程です。
- 検査を受けても、治療に有用な情報が何も得られない可能性もあります。
- 検体の状態により、解析がうまくいかない場合があります。
- 検査結果により提案された薬剤を使用しても、必ずしも有効ではないことがあります。
- 検査の結果により提案される治療は、保険診療で受けられる薬剤のほか、治験や臨床試験への参加、全額自己負担となる薬剤などがあります。
- 提案された治療を受けないことも可能ですし、条件により提案された治療が受けられない場合もあります。検査後は、主治医の先生と相談して治療方針を決めていただきます。
がんゲノム外来予約までの流れ
以下の書類と検体をご準備いただき、当院の総合患者支援センターへご発送ください。
- 以下の場合は、血液での検体提出が選択肢となる場合があります。
・がん組織検体がない場合
・がん組織検体が3年以上前のものしかない場合
・組織検体による「がん遺伝子パネル検査」を提出できない場合
・以前行ったがん組織検体による「がん遺伝子パネル検査」で結果を得られなかった場合
- 血液で検査を提出する場合には、治療中のスケジュールにより、検査に適する採血可能日が限定されます。必ず、診療情報提供書もしくは患者情報シートに、直近の治療歴や今後の予定を含む治療スケジュール(化学療法の投与日や放射線照射日)をご記入ください。
発送先
〒986-8522
宮城県石巻市蛇田字西道下71番地
石巻赤十字病院 総合患者支援センター(遺伝子パネル検査) 宛
- 書類・検体ともに追跡可能な方法で発送してください。
書類と検体到着後、保険診療でのがん遺伝子パネル検査の適応があるか、がん組織検体が検査に適した品質であるかの確認を行った後、紹介いただいた医療機関に診療予約票をFAXします。診療予約票を患者さんにお渡しください。患者さんのご都合がつかない場合は、予約変更を行いますので、医療機関より直接ご連絡ください。
がんゲノム外来予約~結果説明までの流れ
遺伝子パネル検査をご依頼いただく医療機関の方へ
お申し込み方法
-
1.下記必要書類および検体をご準備いただき、当院までご送付ください。
〒986-8522
宮城県石巻市蛇田字西道下71番地
石巻赤十字病院 総合患者支援センター(遺伝子パネル検査) 宛
-
2.診療予約票をFAXで返信いたします。
予約状況を確認のうえ調整し、総合患者支援センターから診療予約票をFAXで返信いたします。
-
3.患者さんに【診療予約票】をお渡しください。
-
4.初回の受診
受診当日は、以下をご持参のうえ、25番 紹介受付までお越しいただきますようご案内ください。
- 診療予約票
- 診察券
- マイナンバーカード(又は健康保険証)
- 公費受給者証
- お薬手帳
-
5.検査実施
当院から検査会社に検体を提出し、がん遺伝子パネル検査を依頼します。
- 検査会社への提出から患者さんへの結果報告までには約6~8週間のお時間をいただきます。
- 血液で検査を提出しなければならない方は、検査に適する採血を行う必要があり、治療状況によって、採血日が限定されます。初回受診と別日に採血のために受診して頂くことがあります。
-
6.検査会社にて解析後、エキスパートパネルで治療法の検討を行います。
検査会社から返却されたデータをもとに、エキスパートパネルで治療法を検討します。
- エキスパートパネル:各領域の専門家によるチームカンファレンス
- 当院は東北大学の主催するエキスパートパネルに参加して治療法を検討します。
-
7.再診
当院にて、担当医より患者さんに結果をご説明いたします。
併せて、紹介元の医療機関へ結果を送付させていただきます。
-
8.検査後の患者さんの治療について
検査後の治療は、紹介元の医療機関で行っていただきます。
- がん遺伝子パネル検査を受け、実際に治療につながる割合は10%程度と言われております。
有用な情報が何も得られない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
検体について
基本的には、手術や生検で得られたがん組織を用いてゲノム解析を行います (検体準備および送付については「病理組織検体注意事項」をご参照ください)。
しかし、がん組織検体がない場合、がん組織検体が3年以上前のものしかない場合、組織検体が遺伝子パネル検査に適さない状態の場合には、血液での検査提出が保険診療で認められています。ご送付いただいた がん組織検体を当院で確認にした結果、検査の条件を満たさない場合、他検体の再送付・組織検体の再採取・血液による検査提出等について、主治医の先生にご相談させていただく場合もあります。
また、腫瘍組織を検体として実施したがん遺伝子パネル検査において、包括的なゲノムプロファイルの結果を得られなかった場合には、血液による検査の提出が認められています。組織検体で検査が提出できない場合には、検査のタイミングや検査方法など、慎重に検討させていただきます。
血液を検査提出する場合、治療状況(放射線治療や化学療法のスケジュール)により採血できる日が限定されます。診療情報提供書に治療状況の詳細をご記載ください。治療状況によっては、検査説明で受診された日に採血できない場合もあります。
組織で提出するつもりであっても、検体が検査に適しておらず組織で提出できない場合もありますので、組織で提出するつもりであっても、治療状況の詳細をお知らせください。