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比較的早期の胃がんには腹腔鏡下胃切除術、進行したがんには開腹胃切除術を行ってきましたが、手術支援用ロボット(ダビンチ・サージカルシステム)が導入され、ロボット支援下胃切除術が行えるようになりました。ダビンチの鉗子は多関節で精細な操作を行うことができ、術者の手の動きと鉗子の動きの比率を調節する機能や、術野の手ぶれ除去機能があるため、従来の腹腔鏡手術よりも精度の高い手術ができます。
胃がんに対する手術は、がんができた場所(占有部位)や進行度によって胃を切除する範囲やリンパ節を切除する範囲が異なります。胃の出口(幽門)近くにできたがんでは幽門側胃切除術(胃の出口側を2/3切除)、胃の入り口(噴門)近くのがんで比較的早期のものには噴門側胃切除(胃の入り口側1/2を切除)、胃の入り口(噴門)近くまでがんが及んでいて進行したものには胃全摘術を行います。これらはロボット支援手術で行うことができますが、がんが胃と隣接した臓器に浸潤している場合など、開腹手術が必要な場合もあります。
胃の入り口(噴門)近くのがんは「食道胃接合部がん」と分類されることもあります。入り口を含めて胃を切除して、残った胃と食道を単純に吻合すると胃酸が食道に逆流してひどい食道炎を起こします(胸焼け症状など)。そこで、逆流を防ぐための特別な方法で吻合します。その際にロボット鉗子の精密な動きがとても役立ちます。
ロボット支援胃切除術の様子。ロボットには4つの腕があり、そばに助手2人と器械出し看護師がいます。術者は少し離れた場所でロボットを操作しています(写真には入っていません)。
肝臓への動脈を残し、胃に向かう動脈のみを切離してリンパ節郭清をしています。
心臓の近くで食道と胃を吻合しているところ。ロボットの精密な動きが役立ちます。
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