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いわゆる「盲腸」という呼び方で知られる良性の疾患で、盲腸に存在する虫垂という構造に、何らかの原因(糞石による虫垂閉塞、バリウムの遺残など、原因不明な場合も多い)による炎症が起こることで発症します。当科では15歳以上の急性虫垂炎の治療を担当しております。
症状は典型的には心窩部から徐々に右下腹部に移動する腹痛や、発熱です。病状が進行すると虫垂が穿孔(破れる)し膿瘍(膿溜まり)を形成する場合や、腹腔内に感染が広がる汎発性腹膜炎という病態を来すことがあります。
治療は手術加療と抗生剤による点滴治療に分類され、患者さんの状態や発症時期、虫垂炎の重症度に応じて適切な治療方法を提案させて頂きます。手術加療に関してはほぼ全症例に対して低侵襲な腹腔鏡下手術を行っております。また、抗生剤加療のみで軽快が得られた患者さんに対しましても、再発防止のため待機的に虫垂切除術をお勧めする場合があります。
ヘルニアとは、腹腔内容物が腹壁の脆弱な部位から脱出する状態のことを言います。そのうち、鼠径部と呼ばれる足の付根の部位に脱出するヘルニアを鼠径ヘルニアと呼びます。毎年13-15万人程度の方が手術を受けていると推測されており、当院でもほぼ毎週手術を行っています。成人の鼠径ヘルニアは女性に比べ男性に多く、立位など腹圧がかかる姿勢をとると足の付根に膨らみができ、横になると膨らみが小さくなるという症状が典型的です。膨らみが戻らなくなる場合を嵌頓(かんとん)と言い、その場合は緊急手術が必要になることがあります。
腹壁に脆弱な部分があるため、治療には手術が必要です。当科では従来から行われていた鼠径部切開法に加え、近年は積極的に低侵襲な腹腔鏡下ヘルニア修復術を行っており、手術当日に入院し翌日に退院という1泊2日入院での治療を行っています。
胆汁は、食事で摂取した脂肪分やビタミンの消化・吸収を助ける消化液で、肝臓で作られ、十二指腸に排出されます。胆汁が流れる道を胆道と呼びますが、胆道に石ができる病態を胆石症と呼びます。胆石は胆汁に含まれる成分が凝縮されて結晶化し固まったもので、胆石症のうちおよそ8割は胆嚢内に結石ができる胆嚢結石症です。日本人の胆石保有率は食生活の欧米化や高齢化などの背景により年々増加していると言われています。
無症状に経過する胆嚢結石症もありますが、結石が胆嚢管という胆嚢の出口を詰まらせることで急性胆嚢炎を発症する場合や、総胆管という管に結石が落下し胆管炎を来した場合には治療が必要になります。
当科では急性胆嚢炎に対して診療ガイドラインに準じた治療を行っており、急性期の胆嚢炎に対して積極的に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っております。また、発症から受診まで時間が経過している場合や、持病をお持ちのご高齢な患者さんに対しては、胆嚢に針を刺し炎症を抑える治療を行った後、待機的に胆嚢摘出を予定することもあります。患者さんの状態に応じて適切な治療を提案させていただきます。
診療科
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専門外来
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Ishinomaki